LLサイズ物語

 今は昔、一人の大きな人がいました。彼の身長は185センチウエストは94センチ、襟回りは44センチ、袖丈は84センチ、靴のサイズは27.5センチです。

 彼がスーツを買おうとするとB体の8号となるのですが、どんな大きな店に行っても身長180センチに対応した7号までのスーツしかありませんでした。

 ワイシャツを買おうとすると襟回り42センチ袖丈82センチのものまでしかありませんでしたし、靴を買おうとすると27センチまでしかありません。(たいていの店は26.5まででした)

 そこで彼は42-82のワイシャツを着てB体の7号スーツを着て、27センチの靴を痛い思いをしながら履きました。ワイシャツの襟のボタンは外しっぱなしで、袖のボタンは間もなく取れ、スーツはお尻が丸見えのつんつるてんで、ズボンや靴は数ヶ月で壊れました。結局、スーツはほとんどイージーオーダーとなりました。

 それでも当時外回りの多かった彼は行った先々でデパートやショップを捜しては着られる服を見つけるとクレジットカードで買ったものです。

 中でも新宿の伊勢丹のキングサイズは品揃えが豊富で、横に大きいLL、3L、縦に大きいTL、全体に大きいXL、XXLなど体形に合わせた商品がありました。彼はここで初めて大きすぎて着れない服に出会いました。

 また、青山のグランバックもビッグアンドトールと銘打って大きなサイズの服をカジュアルからフォーマルまで取り揃えていて何度か利用しました。(最近行っていないのでまだあるかどうか…)

 やがて日本人の体格が向上するにつれてラージサイズ衣料の品揃えも豊富になり、以前はSとMサイズしか置かなかった店にもLサイズが置かれるようになってきましたが、それでも彼はいまだに自由に選んで服を買うことはできません。何か欲しい服があっても自分が着られるサイズのものは1点か2点あれば良い方で、全くないこともよくあるのです。

 ところで話は変りますが、形状記憶衣料はいいですね。なにがいいって、縮まないのが最高。以前買ったワイシャツはちゃんとサイズを合わせて買ったのに、しばらくすると襟縮みして襟のボタンが止められなくなるほどでした。小さなサイズと比べると生地は同じ比率で縮むため大きなサイズは縮みかたがひどくなります。ところが形状記憶ワイシャツはほとんど襟縮みしないのです。これは素晴らしい!ジュラシックパークの原作者のマケルクライトンがわざわざ形状記憶ワイシャツを買うために日本に来るもの肯けるような気がします。

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